看護師を辞めたい・・・では別の仕事をしますか？
[著者: 平野雅子 (看護師 /保健師).more..]
看護師を辞めたいと思うのは仕方ない
でも、「看護師を辞めたい」、「仕事を辞めたい」と思っているのは、あなただけではないんです。看護師さんのほとんどが、頭のどこかで「看護師辞めたい」と思っています。一見、楽しそうに働いている人だって、実は「看護師辞めたいなぁ」と思っているものなんですよ。
もちろん、看護師の仕事が好きだし、やりがいを感じている人もたくさんいます。でも、看護師の仕事に100％満足している人って、本当に少ないと思うんです。
だって、看護師の仕事は、生活リズムは不規則で夜勤もあるし、力仕事は多いし、いわゆる汚い仕事も多いし、人間関係はこじれやすいし、育児や家庭との両立も難しいしと看護師の仕事のデメリットを挙げてみるとキリがありません。
いくらやりがいを感じていて、看護師の仕事が好きでも、こんなにデメリットがあるなら、頭のどこかで「看護師なんて辞めたい！」と思うのは当たり前のことです。それでも、みんなどこかで妥協して、辞めたい自分と折り合いをつけながら働いているんですよね。
では、「看護師を辞めたい」という気持ちを実行に移した時にどうなるか、シュミレーションしてみましょう。
看護師を辞めたら、別の仕事に就職できる？
実際に、看護師を辞めたら収入はなくなってしまいますので、やはり働かなくてはいけませんよね。そうすると、違う職業に就職しなければいけません。
でも、看護師を辞めて就職できるんでしょうか？ここで、大学卒業予定者の就職内定率を見てみましょう。2014年4月に卒業した人の就職内定率は94.4％です。そして2013年の失業率は4.0％、失業者数は248万人です。
「思ったよりも就職内定率が良いから、私でも就職できる！」と思うかもしれませんが、これは「新卒」での就職内定率です。それに新卒の人でも、100社くらいエントリーして、1〜2社から内定をようやくもらったという人も珍しくないんです。さらに、この数字だと大卒で就職を希望している20人に1人は内定をもらえていないということですよね。
看護師を辞めたということは、新卒ではないので、新卒よりも就職は難しくなりますし、看護師免許以外にアピールできる部分がなければ希望の仕事に就くことは、かなり困難と思っていたほうが良いでしょう。簡単に就職できる状況なら、失業者が248万人もいるわけないですよね。
看護師の場合は、売り手市場ですし、新卒での就職も看護学校と同系列の病院に就職することが多く、「就職活動で苦労した！」という人はあまりいないと思いますが、一般的な就職活動はかなりシビアだと考えておいてください。
看護師と普通の仕事、どっちが稼げる？
では、看護師を辞めて違う仕事に就職できたと仮定しましょう。その時に気になるのはお給料です。看護師と普通の仕事では、一体どっちが稼げるんでしょう？
看護師の平均年収は472万円ですが、一般サラリーマンの女性は平均年収は268万円です。思ったよりも差がありますよね。1年で204万円の差ですから、看護師を10年間続けた場合と看護師を辞めて一般的な仕事を10年間した場合では、2040万円も差が出るんですよ！地方だったら、中古マンション買えちゃいます。どう考えても、看護師のほうがお得ですよね。
この年収差は正社員（常勤）の差ですが、バイトやパート（非常勤）でも看護師と一般の仕事ではお給料に差があります。
看護師の平均時給は1500〜1600円です。都会だったら、時給2000円以上のところもあります。でも、一般のパート・アルバイトの時給は950〜1000円です。1.5倍以上の差がありますよね。常勤でも非常勤でも、やっぱり看護師のほうがガッチリ稼ぐことができるんです。
看護師の仕事は大変ですが、「もうどうしても嫌！お金なんてどうでも良いし、とにかく看護師を辞めたい！」というまで追い詰められていなければ、もう少し看護師を続けてみませんか？せっかく苦労して取った看護師免許を生かして働いたほうが、絶対に良いと思うんです。
だって、看護師免許を生かさなければ、辛い就職活動をしてようやく内定をもらっても、今より安い給料で働かなくてはいけないんですから。
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